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穂乃花先生のカッテに名曲分析!

歌の表現力を上げよう!vol.2-1

はじめに

皆さんこんにちは!歌と声の学校 講師の穂乃花です。

これは、歌の表現力を上げたい皆さんの為の記事です。
この記事が、少しでも皆さんが歌を歌う上での参考になればと思います。

************

歌に関するあらゆるお悩みを持った方と接していく中で、よく伺うものがあります。
それは、”もっと表現力をつけたい”ということです。

なるほど、”表現力”。。。

人それぞれ表現方法は違いますし、一つにまとめる必要もないと思います。
ただ沢山あるからこそ、どこに注目すべきか分からなくなったりしませんか?

ということで!
私が普段指導に使っている具体的なSTEPを通し
”表現力をあげる方法”の一つを、皆さんにお伝えしていきたいと思います!!

そして、下記のポイントを使って、様々な楽曲を分析していきます!

具体的なSTEPとはズバリこちら!!

STEP1:歌詞の内容を理解する

STEP2:歌詞の内容を理解した上で、その内容に適した歌い方をする

この記事ではSTEP1をお伝えします!

歌の表現力を上げるSTEP1
【歌詞の内容を理解する】

歌詞の内容を理解するには、以下の流れが必要です。

1)歌詞を読む

2)過不足なく書き出す
歌詞はメロディーに合わせるため、文字数が制限されている可能性があります。
その為以下の作業をしていきましょう。

①抜けている箇所を穴埋めしていきましょう!
②倒置法が使われている箇所を通常の順序に直していきましょう!

今回分析する楽曲は『糸/中島みゆき』

今回は1998年にリリースされた『糸/中島みゆき』について考えていきたいと思います。

STEP1①歌詞を読む

まずは歌詞を読んでみましょう!!

『糸/中島みゆき』歌詞

なぜ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを
私たちは いつも知らない
どこにいたの 生きてきたの
遠い空の下 ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない

ふむふむ。。
今回の歌詞は、何か人間の原理となるものを伝えようとしているように感じます。

以前にもお伝えしたように、歌詞はメロディーに合わせるため、文字数が制限されている可能性があるので、過不足なく書き出していきましょう!

STEP1②過不足なく書き出す

①抜けている箇所を穴埋めしていきましょう!
②倒置法が使われている箇所を通常の順序に直していきましょう!

上記を踏まえて、歌詞を過不足なく書き出していきましょう!

元の歌詞:なぜ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない

→言い換えた歌詞:「なぜ、その人とめぐり逢ったのか、その意味は誰もわからない。」

”私たち”というのは、”人間たち”という意味なのだと思われます。
これは「なぜ めぐり逢うのか」という広大な範囲のという問いかけをしていることから予想します。
例えばある友人、例えば好きな人、その人たちと出会ったことは自分にとって何を意味しているのか、それは誰もわからないということを、言っているのでしょう。

元の歌詞:いつ めぐり逢うのかを
私たちは いつも知らない

→言い換えた歌詞:「いつ、どんな人に出会えるのか、私たちはいつも知ることができない。」

一つ前の歌詞と同様、”私たち”とは”人間たち”のことを指していると予想します。
改めて言われると確かにそうだな、と思う文です。

ここまでの2文は、人間の「出会い」という場においての原理を歌っています。

元の歌詞:どこにいたの 生きてきたの
遠い空の下 ふたつの物語

→言い換えた歌詞:「あなたは今までどこにいたの? どこで生きて来たの?
遠い空の下 ふたつの物語」

一つ前まで”人間の原理”という広大な範囲を歌っていたものが、この文で、ある人とある人の二人の範囲まで狭まります。
なぜめぐり逢うのか、いつめぐり逢うのかわからない中、ある人を見つけた状態を歌っています。

元の歌詞:縦の糸はあなた 横の糸は私

→言い換えた歌詞:「縦の糸はあなた 横の糸は私

曲の世界観はこの文でさらに、”あなた”と”私”のふたりの範囲に狭まります。
あなたと私を2本の糸に例えています。

 

元の歌詞:織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない

→言い換えた歌詞:「私とあなたで織りなす糸は、いつか誰かの暖めうるかもしれない。」

一人一人の人生を歩んで来たけれど、ここに来て交わり(出会い)、二人で歩みを進めたその軌跡や人間関係のことを、”布”という単語で表しているのではないでしょうか。

そしてその布は「誰か」を暖めうるかもしれない、と言っています。

この「誰か」は”あなた”と”私”がどういう関係にあるかによって変動するでしょう。

例えば、恋人関係の二人であれば、いつかふたりの間にできる”子供”を指しているのかもしれません。

ただ「いつか」「かもしれない」など、曖昧な表現がたくさん出てくるので、そんなに断定的な話をしていない可能性もあります。

”誰かと誰かが出会い、そのふたりが作り上げた関係により、誰かが助けられることもある”
という、言ってしまえば”当たり前”のことを歌っているの可能性もあることを覚えておきましょう。

まとめ

今回分析で使用した楽曲『糸/中島みゆき』の歌詞を要約すると

”私とあなたが出会い、そのふたりが作り上げた関係により、誰かが助けられることもある”

となります。

この一見”当たり前”のことを歌うのはかなり難しいはずです。
たくさんの経験や歩んで来た人生の長さがなければ、とても軽く聞こえてしまうからです。

まさに”表現”が難しい歌です。
次回ではいよいよこの内容をもとに、具体的にどう歌っていけばいいのか考えていきます!

お楽しみに〜!!

もちろんこれは私の個人的な意見です。
歌詞を考える人の数だけ、答えはあると思いますので、皆さんもぜひオリジナルの答えを見つけてみてください^^

 

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