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穂乃花先生のカッテに名曲分析!

歌の表現力をあげよう!vol.1

はじめに

皆さんこんにちは!歌と声の学校 講師の穂乃花です。

歌に関するあらゆるお悩みを持った方と接していく中で、よく伺うものがあります。

それは、”もっと表現力をつけたい”ということです。

なるほど、”表現力”。。。

人それぞれ表現方法は違いますし、一つにまとめる必要もないと思います。

ただ沢山あるからこそ、どこに注目すべきか分からなくなったりしませんか?

ということで!
私が普段指導に使っている具体的なSTEPを通し
”表現力をあげる方法”の一つを、皆さんにお伝えしていきたいと思います!!

具体的なSTEPとはズバリこちら!!

STEP1:歌詞の内容を理解する

STEP2:歌詞の内容を理解した上で、その内容に適した歌い方をする

この記事ではSTEP1をお伝えします!

歌の表現力を上げるSTEP1
【歌詞の内容を理解する】

歌詞の内容を理解するには、以下の流れが必要です。

1)歌詞を読む

2)過不足なく書き出す
歌詞はメロディーに合わせるため、文字数が制限されている可能性があります。
その為以下の作業をしていきましょう。

①抜けている箇所を穴埋めしていきましょう!
②倒置法が使われている箇所を通常の順序に直していきましょう!

今回分析する楽曲は『離したくはない/T-BOLAN』

今回は1991年にリリースされた『離したくはない/T-BOLAN』について考えていきたいと思います。

STEP1①歌詞を読む

まずは歌詞を読んでみましょう!!

『離したくはない/T-BOLAN』歌詞

今 オマエをこの腕に抱きたくて せつないよ
会いたい気持(とき)が どれ程辛いかと 問いかけてた

ひとりきりの夜ならば 今すぐに会いに行くよ
遠ざかる二人の距離 追いかけて 慰めてた

諦めるよりも 信じることに 賭けてみる思いを
抱きしめていたい

こんなにEveryday Everynight
勇気づけてくれた
Everyday Everynight
離したくはない

ふむふむ。。歌詞はこんな感じか〜!

しかし歌詞はメロディーに合わせるため、文字数が制限されている可能性があります。

ということで。。。

STEP1②過不足なく書き出す

①抜けている箇所を穴埋めしていきましょう!
②倒置法が使われている箇所を通常の順序に直していきましょう!

上記を踏まえて、歌詞を過不足なく書き出していきましょう!

元の歌詞:今 オマエをこの腕に抱きたくて せつないよ」

→言い換えた分:「俺は今 お前をこの腕に抱きたいと思っている。でもそれが叶わないからせつないよ。」

「オマエ」という2人称の単語が出てきているので、これは”主人公目線の曲”ということが分かります。よってこの歌詞の主語は1人称となります。ここでは「俺」とします。

“この腕にだきたくて””せつない”ということは、何らかの事情があり、腕に抱くことが難しい状況だと予想できます。ということで、”それが叶わないから”という文を追加しました。

 

元の歌詞:「会いたい気持(とき)が どれ程辛いかと 問いかけてた」

→言い換えた文:「オマエに会いたい気持(とき)がどれ程辛いか、ということを、心の中のオマエに問いかけてた。」

”会いたい”ということは、”会えていない”ということです。
”気持ち”を”とき”と言い換えているので、「会いたいという気持ちが、長い間続いている時間が、どれ程辛いか」ということを言いたいのかもしれません。

実際に「オマエ」には会えていない状況ですから、問いかけているのは心の中の「オマエ」に対してだと予想できます。

 

元の歌詞:「ひとりきりの夜ならば 今すぐに会いに行くよ」

→言い換えた文:「オマエがひとりきりで夜を過ごしているのなら、俺は今すぐ会いに行くよ。」

この文章は、”オマエがひとりきりの夜があるなら今すぐ会いに行くよ”ということを言っているのでしょう。

 

元の歌詞:「遠ざかる二人の距離 追いかけて 慰めてた」

→言い換えた文:「俺とオマエの心の距離が遠ざかって行くのがわかる。
それでもオマエを追いかけることで、いつか俺の元へ帰ってきてくれるんじゃないかと思っている。
それによって今の俺自身を慰めているんだ。」


この”二人の距離”とは心の距離を指しているのだと思います。
「オマエ」の気持ちは「俺」からどんどん離れて行っているようです。
前の文章の”おまえが一人の夜があるなら”から推測するに、「オマエ」にはすでに他の男性がいるかもしれません。
それでも「俺」は「オマエ」を追いかけることで、自分自身を慰めているのだと思います。

 

元の歌詞:「諦めるよりも 信じることに 賭けてみる思いを
抱きしめていたい」

→言い換えた文:「”きっとオマエは戻ってきてくれないだろう”と諦めてしまうよりも、”きっと戻ってきてくれる”と信じよう。
俺はそっちに賭けてみるよ。

オマエへの思いを抱きしめていたいんだ。」

「歌い手自身」はまだ「オマエ」が自分の元に戻ってきてくれることを諦めていないよです。
”信じることに賭けてみる思いを抱きしめていたい”ほど、「オマエ」は「歌い手自身」にとって大切な存在なのでしょう。

 

元の歌詞:「こんなにEveryday Everynight
勇気づけてくれた
Everyday Everynight
離したくはない」

→言い換えた文:「オマエは、Everyday Everynightこんなに俺を勇気づけてくれた。
Everyday Everynight 俺にとって大切な存在であるオマエを離したくないんだ。」

「オマエ」は毎日、毎晩、「俺」を勇気付けていたようです。
それが実際に言葉や態度で勇気付けていたのか、「オマエ」という存在そのものが「俺」を勇気付けていたのかは分かりませんが、「俺」にとって「オマエ」は必要な存在のようです。

実際、心の距離は離れているので、離したくないも何も。。。とも思うのですが、「俺」はまだ望みを捨てていないわけですから、このワードが出てくるのかもしれません。

まとめ

今回分析で使用した楽曲『離したくはない/T-BOLAN』の歌詞を要約すると、

「俺にはオマエが必要なんだ、俺の元へ戻ってきてほしい!!」

となります。

もちろんこれは私の個人的な意見です。
歌詞を考える人の数だけ、答えはあると思いますので、皆さんもぜひオリジナルの答えを見つけてみてください^^

さて、次回ではいよいよこの内容をもとに、具体的にどう歌っていけばいいのか考えていきます!!

お楽しみに〜!!

 

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