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穂乃花先生のカッテに名曲分析!

『歌うたいのバラッド』vol.6-2

穂乃花イラスト 『穂乃花先生のカッテに名曲分析!』とは

私は普段、シンガーソングライターとしても活動しています。

曲を作る身としては、やはり名曲が名曲である理由を知りたい・・・!!

ということで、誰もが知るアノ名曲をカッテに分析してしまいます!

歌詞分析は個人的な妄想が含まれておりますので、『その解釈は全く違うと思う』とか、『あぁ!確かに!!』とか、はたまた『そんなん当たり前やんけ!!』など、様々なことを感じるかと思います。

でもそれがまた、歌詞分析の面白いところだと思うのです。
人によって違う受け取り方をする、同じ人でも年齢や状況によって違う受け取り方をする。
これは考え甲斐があると思いませんか?
(この分析を読んで、何か思う方がいたらぜひぜひ語り合いたい)

ぜひ、『そんなふうに感じる人もいるのだなぁ』という気持ちで、読み進めていただけると嬉しい限りです!

 

前回に引き続き『サライ』の分析をして行きます!

前回の記事↓

『歌うたいのバラッド』vol.6-1

A’メロ

「嗚呼 唄うことは
難しいことじゃない
その胸の目隠しを
そっと外せばいい」

2番になりました。
ここでも、唄うことに対する気持ちを述べています。

では、”胸の目隠し”とは何なのでしょうか?
私はこう思ったのですが、皆さんはどうでしょう。

普段人と関わって生活している私たちは、心に留めてしまう言葉がたくさんあると思うんです。
例えば、その言葉が言えない相手であったり、言ってはいけない場面であったり、自分に言える度胸がなかったり・・・。
そうやって留めている部分、堪えている部分を”胸の目隠し”と表現しているのだと思います。
”歌の中ではみんな正直でいいんだよ”と、そう言われている気がしました。

B’メロ

「空に浮かんでる
言葉をつかんで
メロディを乗せた雲で
旅に出かける」

今までは現実にあるものの表現が続いていましたが、ここで抽象的な表現が出てきます。
空に言葉は浮かんでませんし、雲で旅には出かけられません。

ここでは、歌が身近にある様を歌ってるのだと思います。

私たちの周りに自然と存在する”空””雲”。歌は、そんな自然の近くにあるくらい、私たちの身近に存在するものなんだ、と言っているのではないでしょうか。

そしてこの”旅”とは、主人公と相手が共に生きる”2人の人生”を表現しているのだと思います。
それはこの後に続く、サビまでの歌詞からも感じ取れます。

サビ’

「情熱の彼方に何がある?
気になるから行こうよ
窓の外には北風が
腕組みするビルの陰に吹くけれど」

ここで”情熱の彼方”という単語が出てくるのは少し驚きました。
シャイな人から出てくる単語とは遠い気がしたからです。
もしかしたら主人公は、シャイではあるけれど、胸の内に情熱的な部分を隠し持っているのではないでしょうか。
だからこそ「愛してる」と言う言葉も、言えないまま放って置かずに相手に伝えようと努力したのかもしれません。

この”気になるから行こうよ”と言う誘い方、ワクワクしませんか?

確かに”北風”も”腕組みするビル”も威圧的でキツそうだけど、いっちょ一緒に行ってみるか!!という気持ちになってしまいます。私は。。。

この”北風”や”腕組みするビル”は、”この先2人で生きていく上での壁”を表現しているのだとも思います。

Cメロ

「ぼくらを乗せてメロディは続く・・・」

ここでAメロの歌詞を引いてくると、”メロディは続く=旅は続く”ということになります。
あなたとの人生はまだまだ続くよ、と言っているのだと思います。

ラストサビ

「今日だってあなたを思いながら
歌うたいは唄うよ
どうやってあなたに伝えよう
雨の夜も 冬の朝も
そばにいて

ハッピーエンドの映画を 今 イメージして唄うよ
こんなに素敵な言葉がある
短いけど聞いておくれよ

愛してる」

ここで、相手との人生を”ハッピーエンドの映画”とも表現しています。
”ハッピーエンドの映画”には、”最後まであなたといたい””いろいろシンドイこともあると思うけど、最期はハッピーな気持ちでいたいね”という気持ちが隠されているのではないでしょうか。

そしてこの曲ラストは、相手への思いが詰まった「愛してる」という言葉で締めくくられます。

 

この曲を最後まで分析すると、これはプロポーズの曲なのでは?と思いました。

分析を始めた最初の方は、友人に当てた曲とも、親に当てた曲ともとれるなぁと思っていました。そう言う感情を”愛してる”ということもありますよね。

けれど分析を続けていくうちに、恋人に当てた曲が一番しっくりくるなぁと思ったんです。
それも私の想像では、同棲中の恋人。しかも主人公の方はちょっと頼りなくて、不器用で、シャイ、でも情熱的な部分を隠し持っている性格、それに対して恋人の方はしっかりしていて、明るくて、シンドイことも笑い飛ばすことが出来る性格。
そしてふたりは、2人で住むには少し窮屈なサイズの部屋に住んでいる気がします。
なんだかんだ幸せに暮らしているイメージです。

これは私の想像上のイメージなので、当たっているかはわかりませんが、この曲にはこういった”具体的な人物像”が設定されているのではないかな、と感じました。

私もそういったやり方をすることが多いのですが、アーティストは曲を作る際に登場人物像を具体的に設定していることがあります。
名前や年齢、口癖など細かに設定している人もいます。

そういった部分を予想しながら歌詞を分析していくと、イメージもつきやすくて楽しいのではないでしょうか?

 

さて、次回は『歌うたいのバラッド』最終章です!
お楽しみに!!

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