質問①「音痴で悩んでいます。どうしたら良いでしょうか?」
音痴で悩む人はたくさんいると思います。今回はいつも多数のご質問を頂く「音痴」に関してお答えします。
回答「古川雄一先生」
まずは音痴の状態を3つに分類
僕は発声時に音程が合わない、合わせられないという状態、いわゆる音痴で悩む方をレッスンするときに、初めに行うのが症状の分類です。ヒヤリングなどを行いながら、大きく分けて状態を3つに分類します。
①「音が変わったことがわからない、音の高低の判断もつかない場合」 |
ピアノで「ド」「ド#」「レ」のように、音を鳴らした際、音が変わったことに気がつかない、もちろん音の高低の判断もつかない |
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②「音が変わったのはわかるが、高低の判断がつかない場合」 |
ピアノで「ド」「ド#」「レ」のように、音を鳴らした際、音が変わっているのはわかるが、その高低が判断できない |
③「音の高低はわかるが声を出した時に音程を合わせられない」 |
ピアノで「ド」「ド#」「レ」のように、音を鳴らした際、その高低は判断できるが、自分が声を出した時に音程を合わせられない |
状態をこれらの用に分類してから更に状態を細分化して、何が音を外す原因なのかを探してゆきます。
音痴の原因は様々、対処も様々
音痴の原因を探すとき、今までの事例で本当にたくさんの事例に遭遇しました。例えば普通に声を出しているときは音程は外れないのに、「カラオケの採点時」や「人に聞かれていると」というと音を外す人がいました。先ほどの分類で言えば彼女は「③の「音の高低はわかるが声を出した時に音程を合わせられない」パターン。そして上記「」内の条件付きです。条件に共通するのは、「自分以外の外部に判断される」時。僕は「もしかして過去に音程を指摘されコンプレックスになっているのでは」と思いました。そこでその旨をお話すると、「過去に学校の先生に音が合わないと指摘されそれから人前では歌うの時に緊張する」ご本人から教えてもらえました。緊張は行動に対して大きなブレーキとなり、行動に様々な制限をがかかります。特定の条件で緊張するという事がわかれば、それを受け止めて改善していくことは、ボイストレーニングでは得意とするところです。適切な対処を行いその方は見事音痴解消!弱点を克服されました。思わぬ事が音痴に繋がることもあるのです。例えばこのような例ではピアノの音を叩いて「よく聞いて!」「音程を合わせて!」のようなアプローチは逆効果、緊張を増大させ、悪循環を生みかねません。
あなたの音痴の原因を探してみよう
自分では思わぬことが音痴の原因であることも多々有ります。僕が出会ってきた事例では、前述のように、おもわぬ原因が潜んでいることが多かったように思います。ボイストレーニングで解決策を一緒に探していくというスタンスで、僕は音痴解消を行ってます。このコラムをご覧の皆様もまずは自分自身が自分の味方にあってあげて、ゆっくり音痴の原因を探してみてはいかがでしょうか?
放送後記byなほ
音痴って音程の練習をすればいいのかと思っていましたが意外といろんなアプローチがあるのですね!古川先生ありがとうございました。
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